ブチルゴムの電気絶縁性について

もともとゴムは電気絶縁性が高いことで知られています。
すぐに思いつくのが電線の被覆材ではないでしょうか?
一昔前はゴム製の電線がありふれていましたが、今となってはビニル系のが多い気がします、というかビニルばかりです。
ゴムキャブタイヤケーブルでは「PNCT」「CT」「RNCT」、ビニルキャブタイヤケーブルでは「VCT」「VCTF」、あとは環境に配慮した、EMキャブタイヤケーブルがあり、
その中でもCTは天然ゴム、PNCTはEPとCR、RNCTは天然ゴムとCRが材質となっていますね。
すでに現行品ではブチルゴムは採用されていません、もしかしたらあるかもしれないけど見つけることが出来ませんでした。

ブチルゴムは炭化水素骨格で構成された極性を持たないことから、電気絶縁性、耐コロナ性、耐トラッキング性が優れていることから電線被覆材として使われていましたが、
上記のようにその他の合成ゴムに変わっています、これはブチルゴムを使用すると破壊電圧が低く、対応するには絶縁厚が厚くなりすぎることを嫌ったためである、
その後EPに取って代わられた状況です。

そんなこんなで電線被覆材としての役目を終えたブチルゴムは絶縁性を生かして今度は絶縁テープとして今もなお現役なのです。
ここでも普通の絶縁テープは塩化ビニル製がほとんどでブチルの出番は?と何やら不安になってきますが、
あの引っ張りながら重ね貼りする自己融着テープとしてたくさん使われています。
電工詳しい人や車関係の人はなじみがあると思いますが、その他の人はあまり分からないかもしれません、、、
用途としては電線の端末処理、接続保護等です、普通のビニテがねばねばして使いづらいとか暑さでべとべとするなんて人は使ってみてもいいかもしれません、
ブチルゴム自己融着テープはさらさらです。
耐久性も良く、20年経過後でも中身のコネクタや電線を保護できていたこともあります。

テンションかけて半分くらい重ねて巻くのがちょっと難しかったりしますが、その分性能は良いです。
電線保護以外にもコネクタ固定、ホースの修理、ゴルフクラブや釣り竿の持ち手部分の滑り止め、配管保護などいろいろ用途は広いです。
個人的にはセパレータがなくて引っ張るとくっつくようになるタイプが楽ちんでよく使いますね。


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