ブチルゴムの衝撃エネルギー吸収性について
ブチルゴムは一般的には反発力が非常に小さく、衝撃を早く吸収できるため、免振や振動防止に活用されています。
具体的にはどのようなところに使われているのでしょうか、、、
自動車用防振材
未加硫のブチルゴムをベースとしたテープ状のシーリング材がよく使われています、衝撃吸収と防水も兼ねて採用されていることが多いです。
テールライト、コンビランプの取り付け部、ドア内張の防水用ポリエチレンフィルムシートとの接着、ボディ隙間のシール、あとは振動音発生箇所への振動吸収や防音等、自動車板金用途ではデントリペアの吸着用や浅めの傷の引っ張り修正、ヘッドライト分解後の組立、サービスホールの穴埋め、ドア裏ビニルシートの再接着、ワイパーモーターカバーの防水、ドアのデッドニング等が主な用途です。
特に薄板鉄板の振動音、衝撃音の低減に優れた効果を発揮します。
ビビりやガタツキ、共振防止に役立っています。
軽量化等で鋼板も薄くて高強度なものが使われるようになってきており、ますます使用量が増えるのではないかと予想しています。
オーディオ機器の防振防音材
自動車用と少々用途が一緒のところもありますが、デッドニング兼防水として使用されています、ドア内部、天井、床などに使われています。
家庭用オーディオでは木製筐体のスピーカー内部の制振、吸音材として使用されています。インシュレーターとしても使用されています、カーオーディオと比べるとスピーカー筐体が木製で製作されていることが多く、筐体自体で制振できてしまうので制振用途というよりかは隙間埋めやバスレフポートの固定、内部配線の固定やスピーカーユニット固定の補助で使われてます。
レコードやCD等の回転物に対する制振としても筐体内部やインシュレーター、マットとして採用されていたりもします。
家電における防振材
すぐに思いつくのは洗濯機の制振として使われている足ゴムや衝撃吸収マットとしての用途でしょう、そのほかは冷蔵庫やエアコン内部、食洗器、食器乾燥機にも使用されています、家庭内電気配線でも電気絶縁テープとして自己融着性を持たせたものにはブチルゴム主成分の自己融着性粘着剤が広く使われています、防水としても性能が良いので一石二鳥といったところです。
工業用衝撃吸収材として
もちろん工業用としても幅広く採用されており、やはり振動を嫌う測定機器や回転物を伴ったものにはその他のゴムと一緒に使われていることが多いです、振動や騒音には対策されているものが一般的ですが、それでも足りないといった場合に採用されることが多くなってきております、昨今の環境対策としても役割を果たしています、ゴムの中では比重を比較的簡単に重くすることが出来るのでこのような防振、制振、防音はブチルゴムとしては得意分野になりますね。
OA機器内部にも多く使われており、プリンターやタイプライターなどで採用事例があります。
土木関係衝撃吸収材
住宅建材としては上下階の遮音や軽量床に対しての耐衝撃性として、緩衝効果が高いためよく使われています。
その他は金属屋根、鉄階段や出窓、ドア裏、ステンレス流し台、シャッターなどにも衝撃吸収及び遮音目的で採用されることが多く、大面積や曲面にも十分対応できる性質を持っています。